天理教教祖殿逸話篇


「あの雨の中を」

明治十三年四月十四日(陰暦三月五日)、井筒梅治郎夫婦は娘のたねを伴って、初めておぢばへ帰らせて頂いた。大阪を出発したのは、その前日の朝で、豪雨の中を出発したが、おひる頃カラリと晴れ、途中一泊して、到着したのは、その日の午後四時頃であった。早速、教祖にお目通りさせて頂くと、教祖は、 「あの雨の中を、よう来なさった。」と、仰せられ、たねの頭を撫でて下さった。更に、教祖は、 「おまえさん方は、大阪から来なさったか。珍しい神様のお引き寄せで、大阪へ大木の根を下ろして下されるのや。子供の身上は案じることはない。」と、仰せになって、たねの身体の少し癒え残っていたところに、お紙を貼って下さった。たねが、間もなく全快の御守護を頂いたのは、言うまでもない。 梅治郎の信仰は、この、教祖にお目にかかった感激とふしぎなたすけから、激しく燃え上がり、ただ一条に、にをいがけ・おたすけへと進んで行った。

麦かち
救かる身やもの


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