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増野正兵衞咳出るに付願

さあ/\身上に掛かる/\、何故身上に掛かる。理であろう。日々思う/\、日々大変。一名一つ理という。身が不足なる一つ尋ねる。身上案じる事要らん。一つ事情話し又一時事情、又事情治まり明らか事情、めん/\これまで思えば一時どうであろう、どういう事で掛かる。心に曇り無く、身に曇り有ろう。案じる理はあろうまい。一時一つ、一つと言うて一つのもの/\、これめん/\の心得、日々思う。そこでよう聞き分け。どうで、どんな話聞くであろう、見るであろう。なれど尽すだけは皆受け取りて居る。事情重なりてあろう/\。事情は急く事要らん。急えてはいかん。心あちらへ運び、こちらへ運び、急えたて行く事やない。古きたゞ一つ旬という、移りて来にゃならん。今という、旬という来れば掛かり、掛かり掛けたらそれ/\からそれ/\治まりて来る。秋も来れば冬も来る。何ぼ人が来れど人が足らん。これ思案。その中に目張りという。あちらの目張り、こちらの目張り、たんのう皆与えてある。又一つどういう者が入り込むとも分からん。これ心得。行て来うか、見て来うか、第一の理である。どういうもの。あちらも固め、こちらも固め。多くの中どうも分からん。日の暮れという、朝という。行きたい中そこでうっかりして居られん。夢に譬えて話しよう。移れば互い話あろう/\。互いの心それそれの心寄せて置かんならん。剣の中もあれば、水の中、火の中もある。その中常の心一つで遁れる。めん/\尋ねる処案じて要らん、案じてはならん。それ/\に聞かし話してくれるよう。
【説明】
増野正兵衛。本部員 どんな話を聞くであろう、見るであろうけれども、尽くすだけは皆受け取っている。いろいろ事情かさなってあろうが急ぐことはいらない。心をいろいろと遣って、急いでもうまくいくことではない。旬というものが大切で、旬が来てかかりかけたら、それぞれ治まって来る。各自の心をよせておかなければならない。剣の中、水の中、火の中もあるが、平素の心で通れる。という意味で、咳出るのは、やたらに急いではならないと指示されたものであろう。
【摘要】
咳というものは、呼吸が素直に行われない場合に出るものである。そして、急く場合に、咳く事が多い。こうした生理現象を考えると、咳をもって指示される身上さとしの意味がよく理解されるであろう。咳に関するものは多数あるが、大体左の如く分類出来る。(1)急かずに将来を楽しめーやたらにせくなー。(2)急いで事を運べーやたらにせけー。(3)勝手の心を遣わず、素直に神意に沿いきれー神意に逆らうなー。(4)たんのうし、先案じするな。(5)お互いに堰を造らずに談じ合え。『やたらにせくな』と『やたらにせけ』という正反対の例があるが、これは他の場合にも見られるところで、『身上さとし』に否定(積極)と肯定(消極)とがあることは、実際にさとすとき、十分に注意せねばならぬところであろう。

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