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桝井伊三郎小人孝四郎を高知分教会長島村菊太郎よりくれとの事情、喜多治郎吉より願

さあ/\尋ねる事情/\、遠い近いは言わん。遠い近いなれは言わん。皆寄り来る処、又一つ遠いなあと言う、又心と言う。これは皆言わいでも分かりてある。尋ねるからさしづ及ぶ。皆先々見れば、幾分どうと言う。心という理無くばならん/\。又あたゑ無くばならん。一時尋ねる事情、よきと言うは十分。又さしづこうという理治めるを、あちらも一つこちらも一つ隔て無き、一時思う処、暫しの処、又々事情以て尋ねるがよかろう。

押して願
さあ/\一時じいとして居るがよかろう。
【説明】
(1) 桝井伊三郎氏長男は安松氏で、孝四郎氏はその弟である。この年孝四郎子誕生するや、高知分教会長島村氏より養子にもらい受けたいとの話があった。その件について喜多氏より伺われた。 (2) 桝井孝四郎(一歳)を養子にもらいたいと高知の島村より言ってきているが、遠い近いは問題ではない。おぢばへは皆遠近を問わず、人々が寄り来るが、高知は遠いなあと言う。これは心の思いようである。 (3) 皆地方先々を見れば、どうとかこうとか言う。しかし何としても行くなら、行くような心がなければならぬ。また、与えがなければならない。いま尋ねる事情はよいことであるし、さしづによって示した理合いを治めることは、あちらもこちらも隔てはない。しかし、いましばらく間を置いて、またまた機会を見て尋ねるがよかろう。 (4) 養子にやることは一時、じっと控えておくがよかろう。  結局、養子に行くことをお許しにならなかった。後日談になるが安松氏に嗣子がなかったので、弟の孝四郎氏は兄安松氏の準養子となり桝井家を継いだ。孝四郎氏が養子に行っていれば、桝井家は困った事態になることを予知された親神の計らいで、養子に出すことをお許しにならなかったように思われる。明治四十三年梶本国治氏(生代真柱の兄の梶本松治郎氏の二男)が島村家の養子となった。
【摘要】
教会ならびに一般家庭の後継者の問題は、男子の嫡子がいる場合は継承について、さほど問題となることはない。――もっとも事情によっては嫡男がいても廃嫡(嫡子としての身分を廃止すること。ただし現在の民法にはない)した場合は、やはり家庭事情として問題になる。しかし、それはそう多い出来事ではない。  ところが嫡男がいない場合は深刻な悩みである。娘に婿養子を迎える、あるいは実子がいない場合は養子(男でも女でも)を迎えることになる。おさしづには、いろいろの伺いがある。それを整理すると次のような場合がある。 一、 娘(実子)に婿養子を迎える場合。 二、 実子がないので、他家より養子(養女のこともある)を迎える、それも幼少から迎える場合と、成人してから迎える場合とがある。 三、 他家へ養子に出す場合。 四、 その他。 しかしおさしづの神意をうかがうと、実子がある場合と、ない場合の違いはほとんどない。ここではおさしづに説かれている要旨を中心に、考察を進めてみることにする。 (1) 養子を迎えるのは、理と理を寄せ合うのである。実子のない場合も同じで、理を結ぶのである。すなわち、これは深い親神のお計らいによるものである。 (2) 親子の結びつきは前記したように、いんねんによるものであり、養子(養女も)を迎えるに当たって、将来末代の心、生涯変わらぬ心、元一日の心をもって迎えること。 (3) 心と心が結ばれることが大切である。二人の心、双方の心、親々の心、それぞれが結ばれ、治まることが肝心である。 (4) 人おのおのいんねんが異なる。養子を迎えるいんねんの人もあれば、嫁に出すいんねん、嫁に行くいんねんの人もある。何よりもいんねんの自覚が大切である。一方、感謝とたんのうの心がなければならぬ。 (5) 幼少の者を養子に迎えるに当たって、将来を楽しむことである。「あちらにあるもこちらにあるも同じ理」「皆暮らすも同じ理」である。ゆえに心配はいらぬと言われている。 (6) 他家へ養子に出す場合も迎える場合も、その心構えがなければならぬ。あたえがなければならない。 (7) 別家を立てる場合、心の休まるよう運べと言われ、事情に応じて善処することを指示されている。 おさしづには一例として、笠岡の上原ふさ姉に川合家を立てさせたい、との伺いがある。この場合「主の心にその心添わすが精神」と言われ、主人の心に添って処置せよとさしづされている。 (8) 嫡男がいながら、ある事情のために、あとを継ぐことができぬ場合、後継者をどうするかということは非常に難しい問題である。この場合事情により善処するように、と言われる。  おさしづでは、その一例として、敷島の上村氏の長男庄作氏を後継者とするか、と伺った。すると、養子を迎えようにも迎えにくい。可哀想な者であるから「優しい処以て治めるよう」と、親心あふるる処置を指示されている。

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