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橋本清辞職書差し出せしに付、協議の上事情願

さあ/\皆んなそれ/\中にいろ/\の話いろ/\の事情、長い間/\、もうこれどうでもこうでもさしづの理/\、どうでもさしづの理でなければどうもなろまい。この道を知りてる者が無いから、どんならん。この道知りてるなら、あゝいう事あらせん。道が分からんから分からん事になる。どうなるこうなる、心の理分からんから分からん。皆んなこれ教という理がある。教に従うて通らんから、綺麗な道がむさくろしいなる。皆行き難くい道を尋ねて捜すからどんならん。一人二人三人の心で世界通れるか。さあさしづに及ぶ。さしづしても守らねば、さしづまでのもの。よう聞き分け/\。何遍々々、これまでの道知りて居ながら、便りも無く声も無く、理も無く、道の道通らんから、どうなろう知らんという日になって来たのや。どうでもこうでも、心迷いありてはならん。暖いと思えば寒い、寒いと思えば暖い、曇ると思えば晴天、晴天と思えば曇る。自由の理分からんからどんならん。我がさえよくばよいという心があるから、こういう理になりて来る。どうでもこうでも人間の心では行かんで/\、行くならこの道とは言わん。精神一つの理が世界鮮やか明らかのもの。この理より無い。これをよう聞き分けて、改めてくれ/\。めん/\でする事ならどうもならん。いかなる大切にせんならんものでも、心に間違えば、大切が大切にならん理が、今日の日であろ。さあ/\分からんから分からん。一寸一つ話して置く。軽い話、女子供でも分かる話。貸したる金でも、取って了たら仕舞やで。残して置けば理は殖える。取って了たら何にもならん。これだけ一寸話して置こう。

押して願わんとする時
さあ/\押すまでやで/\。押す処何処にあるぞ。繋ごうと思ても離れる者はどうもならん。付けようと思えど付かん者は是非は無い。切りの無い事言うて居るから、こういう事になるわい。
【説明】
(1) この事情は前橋事件と言われているものである。それは当時、本部員として道の上で重責を担っていた橋本清と前川菊太郎の両名が、辞表を提出し、道から離反して行った事件である。事に橋本清は後日、天理教攻撃の演説を打ってまわり「天理教の内幕」という冊子を発行するなど、道にそむいた行動に走った。 そんな事情の中で、最初は心をひるがえさせるべく、いろいろ手をつくしたのであるが、一向に改めるところがない。そこでついに十一月十三日、おさしづを伺うことになったわけである。 (2) 何としてでも神一条で通り、心に迷いがあってはいけない。たとえば天気のことにしても、暖かいともうと寒い。寒いと思えば暖かい。曇ると思えば晴れる。晴天だと思うと曇ってくる。まことに、思いのままにならないということになるが、これはみな神の自由の守護ということがわからず、人間思案に流れるからどうしようもない。そんなところから、「自分さえよければ他人はどうなってもよい」というような考えに走る。だから、こんな事情になってくるのである。 (3) 心を改めてくれるように。めいめい自分勝手にすることならば、どうとも致し方ない。どんなに大切にしなければならない者でも、間違った心を遣うならば大切にしようにも大切にできなくなる。それが今日の事情ではないか。 (4) いくら、つないでおこうと思っても、あくまでも離れて行く者はどうしようもない。これまで通りのかかわりをつけようと努めても、どうしてもついてこないのならば致し方がない。
【摘要】
道を辿る上で大事なことは、一手一つの和であると言える。ところが万一、いろいろな事情の中で、そうした和を欠き、道の理にそむき、道から離れて行くというような者があった場合、そのことをどのように思案し、また、それをいかに扱えばよいのか。これを飯田岩次郎・橋本清の二人にかかわる事件をめぐって伺ったおさしづを通して理解しようとしたものである。 (1) 道の上に我はいらない。自分勝手な心があるから道を間違うことになる。だから、そんなことがあったならば、できるだけ早いうちに治めることが大切である。 (2) 間違って道を離れて行く者があったならば、その者が長い年限の間この道につき、道の上でつくした理を十分に考えて治め方をつけて行くべきである。そのためには、どこまでもつないでいく努力をしなければならない。 (3) 元の理の納得を与えることが大事である。教祖の理、ぢばの理という道の根もとを、しっかり心に治めさせることが大切であり、それが治まっていてこそ、すべてが成り立つことを諭してやるべきである。 (4) それでも離れて行くのならば、もはや致し方がない。悪がはびこったならば、その波及するところは大きいから、人間思案の義理に流れ、誤った理をほかに重ねることがないように整理せざるを得ない。

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