おさしず検索


上田ナライトの普請の事情、尚増野正兵衞会計の事情話しの時に俄かに御話

さあ/\年限追うて、年限数えてみよ。四十年以来と言えば、余程古い事であろう。一度足らん事を台にするはどういうもの。残念でならん/\。残念やわい。そんな事言う場席ではあろうまい/\。聞かす場席ではあろうまい。残念聞いてくれ/\。いつも何事も聞かした事は無い。物の上がりはっちゃ聞かさせん。そんな事でどうなるか/\。さあ前々話一寸説いたる。この家明け渡そうかと言うた日がある。道理運ばす/\。何からどういう事現われるとも分からん。そんな事でどうするか。神に嘘を言うような事で、万事の取締りと言えるか。足らん事三年五年の後、年々の喰い込みと言うたが、言わにゃ言わんと言うてみよ。席一人やない。外に二人三人聞いて居た者ある。証拠人ある。この残念どうして解くか/\。さあしんばしら呼んで来い。

増野自ら、甚だ不都合なる事申し上げて誠に相済まず、と御詫び申し上げる
さあ/\説いたる日変わらねども違わねども、席の場へ出て来て年々これだけ喰い込みと言うたやないか/\。よう聞き分け。そんな事でどうなるか。この南という理を知って居るか。畳んで了え/\。二十年以来になるで/\。この地所という境内という、二十年以来というは田の中楽しみ、席引き立て/\出来た。神の残念神の残念、残念なわい/\。裏は藪で取り絡み、人家も取り払い、先祖代々続いた処の藪も取り払い取り除け、この一つの理というものは、これよう聞き分けにゃならん。杖柱にして一人育てゝ来て、年限経てば/\見えてあろう。そりゃ一人どころやない、皆んな心で成り立ちたのやなれど、中に一つの理というものあって、世界の道理適う処あって成り立つ。これ一つ、よく聞き分けにゃなろうまい。

平野より、増野酒を呑んで御心配な事申し上げて相済まずと御詫び致し、将来慎みます、と申し上げ
神の自由現わした事分かろうまい/\。三日前より夜も横に寝られん程苦しみ、日日の食事も尋ねてみよ聞いてみよ。万人の子供楽しんで帰る者、今日か明日かと待って居る事分からんから、順序運んだもの。この順序聞き分けにゃ分からんで。

さあ/\言うた事は取り返やそうにも取り返やされん。なれど、一つの理誤りした事はどうもならん。この際これからは、どんな事も中に一人も洩れないようにして、どういう事も皆んな一つの心に成って、これからという一つ台として。皆んな困って居るはつなぎに困って居る/\。困って居るは、そのつなぎに困って居る。皆々今まで通りた理に困って居る/\。つなぎに困って居る/\。一つぼつ/\という、ぼつ/\なら何でもない事。二十年祭と言うて、よう/\仮式場という。それも思いの外世上に一つの理が治まり、よう/\成り立って今まで無い事言うて、中に日日重なりて来て、世界何よの事も同じ事、全国大層日々心が治まった。これも全く二十年祭のふしである。掛かりは一つ大きい心に成れ/\と言うた日がある。どうしたらよかろうこうしたらよかろう、小さい心では、にっちもさっちもどうにもならん日に及ぶで。どうしたらよかろうこうしたらよかろう、数々の事は無い。些かならん処の涙寄せてするようでは、受け取れん。三十年祭という長いように思う。もう僅かはっちゃ無い。これ聞かして置く。そこで楽しんで、多く何人居れど、一条の心に成ってすれば、たとい一つ理取損いあったて、何事もほんに取損いと言えば、そも/\に割れる心はあらしょうまい。さあ/\今日のふしにちょと楽しみな事にをい掛けて置くによって、三十年祭には大きい小さい言わん。ほんの学び雛形なりとも一寸して貰いたい。にをい掛けて置く。一寸二年三年にをい掛けたなら、どういう事に成るとも、どういう理増すとも分からん。これを一寸のふしに匂うとこう。


教長御出席になりし上の御話
ウヽヽヽヽヽ

さあ/\一寸一言説くで。さあ/\なあ遠からずの内やない/\。前々以て大層な物買えと言うたのやない。一本買うてくれと言うた日ある/\。そんなら快うわしが買うと言うた日ある。買うと言うたによって抑えてある。一本買うたら未だ/\買うで/\。一本や二本やない。買うと言うたら余計に買うで/\。有っても無うても、どうでも買わにゃならん。何処にも無いと/\思うやろ。なれど、席が見てある。買うと言うたら売ってくれ。売ると言うてくれ。有る物買うね/\で。明らかに見えてある。席に買わせ/\。買う/\。席が買う/\。買わにゃどうもならん/\。明日日に買え/\。約束せい/\。今夜売るか/\。席の楽しみに買わすねで/\。三本や五本やないで。さあ/\こんな事言うたら、何を言うてるかと思うやろう。一本から始まり、後へ何本やら分からせん。有る物知って居る。買うたとて、何処へも持って行くのやない。買うたら早く楽しみの道を取り締まりてくれ。取り締まりくれにゃならんわい。
さあ/\売りゃ売るとなっと何となっと、答が無くばなろうまい/\。

教長が前の刻限に買うて渡すと仰せられしと申し上げ
さあ/\一本買え。席はもっと買う。三本や五本やない。楽しみに買うのや。

押して
さあ/\もうこれ始まりたら始まる。子供に心配さしてどうなる。国を隔てゝ戻りて来る。皆、道のため楽しんで帰りて来る。神一つの理あればこそ、戻りて来る。心配ばかりして居ては、見て居られんわい/\。皆んな嘘やあろうまい。よう聞き分け。疾うから説いてある。土持々々と言うたる。日々どんな中にも厭わず、国に一つの事情の中も厭わず、心楽しんで来る。一荷の土どういう事に成るとも、何ぼのこうのうに成るとも分からん。一つ心に成って、これをしっかり。心配すれば切りが無い。心配は人に聞かしてあんまり良いものやないで。これをしっかり聞き分け。いつもの話も同じ事。

さあ/\もうよいか/\。得心したか。不服なら不服と言うてくれ。道変わりてから、何もならんで。
【説明】
(1) 上田ナライト様の住まいの建築を早くよりお急き込みになっているが、本部の会計状態が思わしくなく捗らずにいると、普請ができんというのであれば、本席の家を「明け渡そうか/\」(明治三十九年五月二十日のおさしづ参照)とまで仰せられ、上田ナライト様の住まいの普請を急き込まれていた。 (2) 道理を運ばずにいると、どういうことが現われてくるかわからん。神に嘘を言うようなことで、万事の取締りができると思うか。年々会計の金が足らんので、食い込みというたではないか、言わんや言わんと言うてみよ(明治四十年三月十三日(陰暦正月二十九日)午前八時三十分 平野楢蔵とお話しありしとき、俄かに刻限の話の中に「一万二千足らんと聞いた。云々」とある)。 (3) 教祖の三十年祭というと、まだ先のことのように思うけれども、もうわずかしか年月はない。そこで、楽しんで皆一条の心になってすれば、たとえ取り損ないがあっても、ばらばらに皆の心が晴れることはない。今日のふしに楽しみなことをにをいかけておくが、三十年祭には大小は言わないが、たとえ、学び・雛型でもよいから、神殿の建築にかかってもらいたい。 (4) 教長が買うと言うたから、そのままにしてあったのであるが、木を一本買うたらまだまだ余計に買う。本席がそれを買うから、今夜売るか、明日にするか約束せよ。あと何本いるかわからんが、普請はまず一本から始まるのである。買うたらどこへ持っていくのでもない。早く普請の段取りをして楽しみの道をつけてくれ。  明治三十九年五月二十八日「本席俄かに身上御障りて刻限の御話」の中に「大きい木買うて欲しい/\/\/\」と仰せられ、それに対して教長より買いますとお答えくださっていた。 (5) 教長が、まず一本買え、本席は三本五本でない。もっと買う。理の楽しみに買うのである。 (6) 一本買い始めたら普請も始まるのである。心配ばかりしていては見ておれられん。道の子が事情の中も厭わず、心楽しんでぢばに帰って土持をする。この一荷の土は、何ぼのこうのうになるともしれん。一つ心になって今後の普請に、しっかり心を定めなければならない。 \n\n (1) ナライト様のお住まいを立てようとの神意に対し、会計方では、本部会計は赤字で建てられそうにない、と話し合いをしていたのに対し、にわかに刻限のお話となった。たすけ一条の道を通るに当たって大きい心になれ、と仰せられ、教祖二十年祭には、立派な普請をさせていただくよう急き込まれた。 (2) やしきの地所と言い境内という所は、二十年この方今日のような有様になった。元は田圃に囲まれた寒村であった所を、本部を引き立て引き立てて、理一つをたよりに喜び勇んで通ってきたお陰で、現在のように賑やかになって来た。やしきの裏は藪で囲まれていた。人家も移転し、中山家先祖代々伝わって来た藪も取り払い、ここまで屋敷を広げてきた。ぢばの理を中心に、ただ一筋の道を歩んできた。このことを、よく聞き分けてくれねばならぬ。教祖は本席に親神のご用をさせようと育ててこられた。年限が経てば言葉通り見えてくるであろう。それはひとりだけでないが、みんな一つ心になって勧めて来た。教祖の仰せを守り、仰せのままに通ってこそ世界からも、なるほどという通り方となり道が成り立つ。この点を、よく聞き分けてもらいたい(上田嘉成著「おさしづ注釈」参照)
【摘要】
本部の普請についての諭しは、それぞれの普請の規模、構造、用途が異なるので、それについて述べられた神意を一様にまとめて言うことはできにくい。しかし次の点は、一貫しているように思う。 (1) 今一時は皆、仮屋普請である。しかして道普請であり、切り無し普請であるということ。 (2) 親の普請を急ぐより、親心の上から大勢の子供たちの帰ってくるおやしきの拡張、信者詰所の普請を望まれていた。しかし、上田ナライト様の住まいや神殿普請のおさしづに見られるように、機が熟して、神意を達成するための普請は、どんなに財政が困窮した中でも、これをやり遂げるように、きびしく急き込まれている。しかして普請の心構えとして、次のように諭されている。 ① 道の順序を聞き分けることが大切である。つとめ場所が道の普請の掛かり初めであったが、最初は小さいものから出来上がって来た道である。この最初掛かりの精神で通れば、どんなこともできる。 ② つとめ場所は一坪から始まったのであるが、その普請を引き受けると言うたのは本席である。普請に当たって、皆その心になるように。 ③ 普請はまず、木を一本買うことから始まるのである。 ④ 旬をはずさないように。旬をはずせば、できることもできなくなる。 ⑤ 念の入ったことはいらん。木柄に望み好みをするよりも、大きな心で何でもという精神が大切。小さな心ではいずんでしまう。 ⑥ 急いでかかれば十分のことができない。前々から用意を整えておくことが大切。 ⑦ 案じ心を捨て、楽しみという心をもって、勇んでかかるように。勇んでかかれば神が十分働く。 ⑧ 皆心を合わせて、一つ心になることである。派を分けてはならん。 ⑨ 外面を飾るよりも、内面の充実が大切である。「中に綿を着ずして、外に綿を着ては通られん」と仰せられている。 \n\n 本部の地所に関するおさしづを通覧すると、次のような点に神意が現われている。 (1) 神のやしきの地取(範囲)は、既に神意として定まっているということ。かねがね教祖は「八町四方は神のやかた、奈良初瀬七里は宿屋ばかり」と仰せになっており、遠大な親神の思召しが着々実現されていくことになる。 神のやしきの地取りはすでに定まっている (明治22・10・20) 縄を張って何間何尺定めたるようなもの (明治26・6・13) 元のやしきへ成って来る (明治23・4・24) 年限だん/\重なれば八町四方になる (明治27・11・17)    というようなお言葉に、そのことがうかがえる。 (2) 道の子供たちが親神を慕って帰って来るぢばであるゆえに、広い地所が必要である。教祖十年祭を迎えるに当たって教祖殿建築につき伺うと、  親の内は地所さい広がりたら十分。子供戻るぢば無うてはどうもならん (明治28・3・10) と言われ、これより詰所がぢばに建築され賑やかとなる、広い地所を神はお望みである。  広く要る/\、急くも神、抑えるも神の働き (明治22・8・18) (3) おやしき拡張のための地所買い入れは、申すまでもなく親神の親心によってご守護をいただくのである。  地所集め掛けたる処、大抵々々もう少しの処、直きに集めさして了う (明治28・11・14)  道の理運んで万事の処心さえ持って働きさえすれば、どんなことでもさしてみせる (明治33・4・20)+ (4) おやしき拡張整備のための土地購入は急いではならぬ。年限によってご守護をいただくのである。  年限という処から、ぼち/\掛かれば成る (明治34・2・10)  成程という処から何でも及ばす。年限の理を持って及ばす (明治32・1・15)  大木の大きくなるようなもの (明治28・8・19) また、旬がくれば口を開いたように、鮮やかに順調よくご守護をいただく、とも言われる。教祖五年祭(明治二十四年)を迎えるに当たって、その前年のさしづには、 広くぢばが要る。要るというて前にも諭したれど、やしきの取りようもないと思うやろう。なれど一つ口が開けたら皆寄り来るであろう。(中略)仮家普請差掛普請、一寸始め掛けた (明治23・6・21)    それは日覆いを取り除けるようなものだと言われている。 (5) 土地買い入れについての人の心の在り方はどうであればよいか、と言えば、この点については、  大層々々は受け取れん。大層してはたすけ一条何もならん (明治33・3・16)  かけ合いなら何時でも許し置く。尋ねるまで。大層の処世界にも成らん (明治32・1・15) しかも大切なことは、各人の発意によるものであって、無理なことは神は受け取れぬ、と言われている。  運ぶ尽くす理は受け取る。(中略)しようまいと思たて、出来掛けたら出けるで (明治25・6・20)  何にも進めるやない、頼むやない (明治22・10・23)  いずれ広くならにゃならん。(中略)人の心によりて心一つ成るものや (明治34・11・13) ――親神の深い思惑によって、親神のご計画が着々実現されつつあることに間違いはない。かつ、道の普請(建物の場合)は仮普請で、更に将来へ向かって発展する一過程における普請であることが特徴的で、道の子供たちの勤めは、一日も早い親神の思召し実現に努力することである。  先々育てて成人したら、どんな所からどういう事出けるやら知れやせん (明治28・11・14) と、非常に子供の成人に期待をかけられている。そのご期待に応えるには、どのように努めればいいか、この点が最も肝要なところであろう。

TOP


お道のツール