おてふり概要
十二下り目
一ツ
いちに
右人差指で「前方を指す手」足は右を踏む。
だい
左足を心持ち引いて腰を下ろし、右平手は掌を下向きにして、手首を右膝の上に置き、左平手は親指と人差指とで、物をつかむ型をして、右足前の床に軽くあてるや(図)、直ちに、左方に一の字を引いて、墨縄を貼る格好をする。
くの
左平手はそのままとし、右平手は親指と人差指とで、墨縄の中央を摘むようにして上げ、腹の前あたりで、両指先を離す(図)。
うか
左平手の掌を上向きにして、腹の真前に出すとともに、右手の指先で、扇の先を摘むように抜きとって、その軸の方を左平手で持つ(図)。足は、左を大きく一歩出す。
ゞ
左平手は扇の軸を持ったまま、右平手は掌を左向きにして、指先を左平手の上に軽く添えるとともに(図)、両平手をおもむろに胸の前あたりまで上げる。足は、右を揃える。
ひに
扇を額の前に立てる(この時、右指先も上向きとなる=図)足は、左を踏む。(備考…「うかゞひに」の手は、六下り目十ドの「あふぎの、うかゞひ、これ」と同じ要領なるも、少し早くすること)
なにかの
右平手で、最初抜き取った時のように、扇の先を摘むように持ち、左平手を離して、扇を元のとおり、前帯の間へさす(この時、左平手は前帯のところへやって、さし込む介添えをする)。足は踏まず。
ことも
右より二回「ナゲの手」足は、右左と踏む。
まかせおく
「まか」にて、左平手で右たもとを軽く押さえ、右人差指の掌を内向きにして、顔の前方に出し(図右)、「せ」にて、その右人差し指を顔の前に引きつつ、手首を返して甲を内向きにして、またすぐに前方に出し(図左)、「お、く」にて、再び「まか、せ」の動作を繰り返す(備考…その要領は、七下り目一ツの「ひとこと、はなしハ」と同じなるも、右人差指の出し方は反対とする)。足は、右左と二歩退り、右を揃え、左を踏む。
二ツ
ふしぎな
上半身は少し斜め左向きとなるとともに、両平手の掌を内向きに重ねて(左が外)、左脇腹を軽く押さえ、頭を心持ち左に垂れて思案する格好をする(図)。足は、右を左の前に出す。
ふしんを
上半身は少し斜め左向きのまま、前屈みとなり、両平手は軽く握って、ちょうなを持つ型をし、下腹の前あたりで、二回上げ下げして、木を削る格好をする(図)。足は、かかとを床につけたままで、つま先で二回軽く踏む。
するならバ
右より四回「ナゲの手」足は、右左と二歩進み、右を揃え、左を踏む。
うかゞひ、たてゝ
両平手は、一ツの「うかゞひに」と同じ要領で、まず、「うかゞひ」にて、左平手の掌を上向きにして、腹の真前に出すとともに、右手の指先で、扇の先を摘むように抜きとって、その軸の方を左平手で持ち(図右)、「たて」にて、左平手は扇の軸を持ったまま、右平手は掌を左向きにして、指先を左平手の上に軽く添えるとともに(図中)、両平手をおもむろに胸の前あたりまで上げ、「て」にて、扇を額の前に立て(この時、右指先も上向きとなる=図左)、次に、すばやく扇を元のとおり、前帯の間にさす。足は、右左右と踏む。
いひつけよ
手足ともに、一ツの「まかせおく」と同じ動作。すなわち、「いひ」にて、左平手で右たもとを軽く押さえ、右人差指の掌を内向きにして、顔の前方に出し(図右)、「つ」にて、その右人差し指を顔の前に引きつつ、手首を返して甲を内向きにして、またすぐに前方に出し(図左)、「け、よ」にて、再び「いひ、つ」の動作を繰り返す。足は、右左と二歩退り、右を揃え、左を踏む。
三ツ
みな
「オサエの手」足は、右を踏む。
せかいから
三回「イサミの手」足は、右左と二歩進み、右を揃える。
だん/\と
右腹前、左腹前と、交互に四回「オサエの手」足は、右左右と踏む。
きたる
だい
左足を心持ち引いて腰を下ろし、右平手は掌を下向きにして、手首を右膝の上におき、左平手は親指と人差指とで、物をつかむ型をして、右足前の床に軽くあてるや(図)、直ちに、左方に一の字を引いて、墨縄を貼る格好をする。
くに
左平手はそのままとし、右平手は親指と人差指とで、墨縄の中央を摘むようにして上げ、腹の前あたりで、両指先を離す(図)。(「だい、くに」は、手足ともに、一ツの「だい、くの」と同じ総動作)
にほいかけ
手足ともに、一ツの「まかせおく」と同じ動作。すなわち、「にほ」にて、左平手で右たもとを軽く押さえ、右人差指の掌を内向きにして、顔の前方に出し(図右)、「い」にて、その右人差し指を顔の前に引きつつ、手首を返して甲を内向きにして、またすぐに前方に出し(図左)、「か、け」にて、再び「にほ、い」の動作を繰り返す。足は、右左と二歩退り、右を揃え、左を踏む。
四ツ
よき
両人差指で、腹前に「平らに円を描く手」足は、右を一歩出す。
とうりようか
両平手は掌を上向きに、指先を正面向きに揃えて、額の前に上げるや、直ちに、指先を内に向け返しつつ、両人差指を残して他は軽く握り、甲を内向きに指先を立てて、額の上前で、左右に一の字に引き分ける(図)。足は、「りやうか」の時、左を揃える。
あるならバ
右より四回「ナゲの手」足は、右を一歩進み、左を揃えて、右左と踏む。
はやく
こもとへ
手足とともに、三ツの「きたる」と同じ動作。すなわち、左平手で右たもとを軽く押さえたまま、右平手は下腹の斜め右前あたりから(この時、上半身は少し右に傾き気味とする=図右)掌を内向きに寄せて、指先を胸にとる(図左)。足は、右を少し右方に浮かし、元に戻す。
よせ
両平手の指先を、同時に胸にとる。足は、左を踏む。
ておけ
右より三回「ナゲの手」足は、右左と二歩退り、右を揃える。
五ツ
「合掌の手」足は、左を半歩出す。
いづれ
「回りの手」と「回りの足」(その二)の要領で、身体をその場で一回りさす。
とうりやう
両平手は、四ツの「とうりやうか」と同じ動作。すなわち、両平手は掌を上向きに、指先を正面向きに揃えて、額の前に上げるや、直ちに、指先を内に向け返しつつ、両人差指を残して他は軽く握り、甲を内向きに指先を立てて、額の上前で、左右に一の字に引き分ける(図)。足は、右左と踏む。
よに
左平手で右たもとを軽く押さえ、右平手は親指を軽く折って、他の四指の間を少し離し(図)、右胸の前方に掌を上向きに出す。足は、右を一歩進む。
んいる
左より三回「ナゲの手」足は、左を一歩進み、右を揃え、左を踏む。
はやく
うかゞい、たて
両平手は、一ツの「うかゞひに」と同じ動作。すなわち、両平手は、一ツの「うかゞひに」と同じ要領で、まず、「うか」にて、左平手の掌を上向きにして、腹の真前に出すとともに、右手の指先で、扇の先を摘むように抜きとって、その軸の方を左平手で持ち(図右図)、「がひ」にて、左平手は扇の軸を持ったまま、右平手は掌を左向きにして、指先を左平手の上に軽く添えるとともに(図中)、両平手をおもむろに胸の前あたりまで上げ、「たて」にて、扇を額の前に立てる(この時、右指先も上向きとなる=図左)。足は、右左右と踏む。
ゝみよ
手は前のままで、足は、右左と二歩退り、右を揃えると同時に、すばやく扇を前帯の間にさす。
六ツ
むりに
「オサエの手」足は、右を踏む。
こいとハ
左平手で右たもとを軽く押さえ、右平手で二回、さしまねく型をする。足は、右を軽く二回踏む。
いは
右人差指で「口許を指す手」足は、右を左の前に踏む。
んでな
右より三回「フリの手」足は、右左と二歩進み、右を揃える。
いづれ
左腹の前で「オサエの手」をすると同時に、そのまま右腹の前へ、平らに一の字を引く。足は、右を左の前に浮かし、元に戻す。
だん/\
左腹前と右腹前とで、二回「オサエの手」足は、左右と踏む。
つき
両平手の指先を、同時に胸にとる。足は、左を踏む。
くるで
右より三回「ナゲの手」足は、右左と二歩退り、右を揃える。
七ツ
なにか
「オサエの手」足は、右を踏む。
めづらし
両人差指で、腹前に「平らに円を描く手」足は、右を一歩進む。
この
両平手の掌を上向きに「平らに揃える手」足は、左を一歩進む。
ふしん
手足ともに、二ツの「ふしんを」と同じ動作。すなわち、上半身は少し斜め左向きで、前屈みとなり、両平手は軽く握って、ちょうなを持つ型をし、下腹の前あたりで、二回上げ下げして、木を削る格好をする(図)。足は、右を左の前に踏むと同時に、かかとを床につけたままで、つま先で二回軽く踏む。
しかけた
身体を少し斜め左向きにしたまま、左平手は甲を上向きにして、左眼の前あたりに上げ、指先をごく軽く握って、小穴をこしらえ、右人差指で、左平手の親指の付け根のところを、二度叩く(図)。足は、右を左の前に出したままとする。
ことなら
右より二回「ナゲの手」足は、右を元に戻して揃え、左を踏む。
きりハない
八ツ
やまの
なか
両平手の掌を上向きにして、両胸脇前に平に出す(図)。足は右を一歩進む。
へと
ゆくならバ
まず、両平手を軽く握り、右拳は右肩のところに上げ、左拳は左腰の脇に垂れ(図)、次に、なお三回、左右の拳を上下反対にする。足は、右を揃え、左右左と踏む。
あらき
とうりやう
両平手は、四ツの「とうりやうか」と同じ動作。すなわち、掌を上向きに、指先を正面向きに揃えて、額の前に上げるや、直ちに、指先を内に向け返しつつ、両人差指を残して他は軽く握り、甲を内向きに指先を立てて、額の上前で、左右に一の字に引き分ける(図)。足は、左右と踏む。
つれてゆけ
両平手は、「ゆくならば」と同じ動作。すなわち、まず、両平手を軽く握り、右拳は右肩のところに上げ、左拳は左腰の脇に垂れ(図)、次に、なお三回、左右の拳を上下反対にする。足は、右左と後ろ向きに二歩退り、右を半ば鉤型に踏み、左を正面向きに揃えるとほとんど同時に、右もまた正面向きとなる(図①②③④⑤)。
九ツ
これハ
「オサエの手」足は、右を踏む。
こざいく
身体を少し斜め左向きとなり、左平手は甲を上向きにして、左眼の前あたりに上げ、指先をごく軽く握って小穴をこしらえ、右人差指の指先をほんの少しばかり、その小穴の中に入れて、三回、左より右へと、丸くえぐるようにして小さく回す(図)。足は、左をほんの少し斜め前に出す。(図①)
とう
両平手は、四ツの「とうりやうか」と同じ動作。すなわち、掌を上向きに、指先を正面向きに揃えて、額の前に上げるや、直ちに、指先を内に向け返しつつ、両人差指を残して他は軽く握り、甲を内向きに指先を立てて、額の上前で、左右に一の字に引き分ける(ただし、ごく早くすること=図)。足は、右を小さく一歩進む(図②)。
りやうや
たてまへ
「たて」にて、両平手は掌を向かい合わせに、指先を立てて、額の両脇前あたりに上げ、「まへ」にて、両平手の掌を向かい合わせにしたまま、指先を正面向きにして、腹の両脇前あたりに下げる。足は踏まず。
とうりやう
両平手は、四ツの「とうりやうか」と同じ動作。すなわち、掌を上向きに、指先を正面向きに揃えて、額の前に上げるや、直ちに、指先を内に向け返しつつ、両人差指を残して他は軽く握り、甲を内向きに指先を立てて、額の上前で、左右に一の字に引き分ける(図)。足は踏まず。
これ
両平手の掌を上向きに「平らに揃える手」足は、右を踏む。
かんな
左平手は甲を上向きにして、左腹脇あたりで、かんなを持ったように指先を曲げ、右平手は掌を内向きにして、ちょうどかんなの上部をおすようにする(図)。足は、左右と二歩退り、左を揃える(この時、かんなを引ききる格好をする)。
十ド
このたび
二回「イサミの手」足は、右左と二歩進む。
いちれつに
だい
左足を心持ち引いて腰を下ろし、右平手は掌を下向きにして、手首を右膝の上におき、左平手は親指と人差指とで、物をつかむ型をして、右足前の床に軽くあてるや(図)、直ちに、左方に一の字を引いて、墨縄をはる格好をする
くの
左平手はそのままとし、右平手は親指と人差指とで、墨縄の中央を摘むようにして上げ、腹の前あたりで、両指先を離す(図)。(「だい、くの」は手足ともに、一ツの「だい、くの」と同じ動作)
にんも
右より二回「ナゲの手」足は、右を踏み、左を揃える。
そろ
両平手は掌を内向きに、手首を軽く折り、指先を上向きにして、上腹の前あたりに揃えて立てる(図)。足は、右を踏む。
ひきた
右より三回「ナゲの手」足は、右左と二歩退り、右を揃える。
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