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喜多治郎吉四十九才胸迫るに付願

さあ/\尋ねる事情/\、身上が一時心得ん。どういう事であろ、思う処尋ねる。さあ/\何かの事もよく聞き分けにゃならん。辺所遠く出越したる中に、一つの理であったら困難という処あろ。出越す処さしづ貰て許して出越したら、案じ無いは、許しと言う。いかな事聞き分けにゃ分からん。これまで諭した事無い。何か順序よく諭す。皆惣々治めにゃならん。一時迫る/\よう思案せい。何か心に承知した処、成っても成らいでも運び切らにゃならん。心に治めた理なおざりというは、何かなろまい。皆々中へ諭し置く。何か受け持ったら十分働き、めん/\一つ理立てるが真の誠。前に諭す理は真実一つ理より無い。真実は神が働く。神が働けば、後にそうであったなあと楽しむは道。皆惣々中に、自然にこういう事頼まれたる。どういう事頼まれる。長くなおざりにしてはならん。成らん処は遁れんようするは、ためなる処、成らん処一つ治めるは、神が働く。神の許し無い処力入れた処が何もならん。何もならん処するは、人間心。事情成らん処するは、この道神が働かす。神が働かせば、させん/\。浮き沈みの理から心治めした処が、沈まさゝせん。些か種生える。蒔いた種生えば、何処も同じよう。同じなるは天の理/\。身上案じる事は要らん。この一時早く/\。こういう処捨て置いたら/\、皆惣々の処諭す。これだけ諭したら、どんな事も皆分かるやろ。
【説明】
喜多治郎吉、本部員。 みな、そうぞうの心(バラバラの心)を一つに治めなければならない。今一時身上がせまるところを良く思案せよ。何か心に一度承知した処、成ってもならいでも運びきらなければならない。心に治めた理(心に承知した理)なおざりというのでは何にもならない。皆の者にさとしおく。何か受け持ったら十分働きをせよ。各自一つの理を立てるのが真の誠である。前にさとした理は真実という理より他にない。真実には神が働く。かみが働けば、、その時はわからんでも、あとでそうであったなぁ、と楽しむようになるのがお道である。という意味で、胸せまるのは、一度承知した処はどうでも運びきれという、親神様のおせきこみを指示されたのであろう。
【摘要】
胸せまるのは、一つには(積極的)胸に治めた理の実行の上に、又たすけ一條の上に丹精することについての親神の急き込みであり、二つには(消極的)人間思案であせってはならないということを指示されているのであって、ここに我々子供の上を思われる切ない親心を痛感せずにはおられないものがある。

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